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薬・治療法について
まず前提として、現状コロナ後遺症には特効薬がなく、絶対に効くという治療法はありません。
厚生労働省や東京都が発表している情報でも、次のように記載されています。
・厚生労働省
「罹患後症状に特化した治療方法はなく、国内外で研究が進められています。一方で、罹患後症状の多くは、時間経過とともに改善することが多く、その過程で、各症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療:咳に対して咳止め薬を処方する等)が行われることもあります。」
(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html 2025.10.22閲覧)
・東京都
「それぞれの症状に合わせて処方された薬を飲むことなどにより、症状を和らげたり、本人の症状や体調に合わせて生活を調整したりしながら、時間をかけて、回復してくるのを待つことが一般的です。すべての人に効く特効薬のようなものはまだありませんが、有効な治療法について、様々な研究が進められています。」
(東京都新型コロナ後遺症ポータル「後遺症に関するQ&A」https://www.corona-kouisyou.metro.tokyo.lg.jp/faq/ 2025.10.22閲覧)
ネット上では「コロナ後遺症を治します」と断言しているものも散見されますが、注意しましょう。
その上で、対処療法として使用されている漢方薬や、まだ研究途中ではあるものの、論文等が発表されていてある程度有効だと考えられている治療というものは存在します。ここではそういった薬や治療法について紹介していきます(参照した論文や研究データについては※で示し、最後にまとめて記載しています)。
体調、費用、時間等と相談しながら、自分にあった範囲で試してみてください。
更新日:2025.11.19
上咽頭擦過療法(EAT・Bスポット療法)
「0.5%~1%塩化亜鉛溶液を染みこませた綿棒を用いて、鼻と喉から直接上咽頭に薬液を擦りつける」という治療法です(※1)。これを何度か行うことで上咽頭炎が改善し、後遺症の症状も軽くなる場合があるようです( ※2)。
(体験談:インフルエンザの検査等で綿棒を鼻の奥まで入れるものがありますが、あれに消毒液がついていて、さらにぐりぐりとこすられる感じです。一度だけでは治らず、何度か行う必要があります。結構痛くて鼻血も出るのでティッシュは持って行ったほうが良いです。これだけ聞くと怖いかもしれませんが、最初は痛くても上咽頭炎が治っていくにつれて痛みが減ってくるので、根性でなんとか耐えられます。ただ、症状の重い方はクラッシュする可能性もあるためお気を付けください。
耳鼻科で受けることができますが、すべての病院で行っている治療ではないため、あらかじめ実施しているか問い合わせてから行くことをお勧めします。)
鼻うがい
市販の鼻うがい用キットを用い、鼻孔から反対側の鼻孔または口に洗浄液を通すことで、上咽頭を洗浄する方法です。上咽頭擦過療法を行っている場合でも併用することがおすすめされています。
ただし、中耳炎を患っている方・誤嚥の可能性がある方は医師に相談するようにしてください(※3)。
漢方薬
コロナ後遺症の治療として、病院では漢方薬が処方されることが多いです。
漢方薬の説明として、東京都が行っているオンライン研修会の動画がわかりやすかったため紹介しておきます。
https://youtu.be/cz9tKBv4y5w?si=f_eJswwaXPDGE74C
(令和7年度 第1回コロナ後遺症オンライン研修会「新型コロナ後遺症に対する漢方治療の実際」星野 卓之 先生 2025.10.23閲覧)
整体
整体によって後遺症の症状が和らぐこともありますが、こちらは注意が必要です。整体は鍼灸と異なり国家資格を要求されないため、整体師の知識が不足していたり、科学的根拠に基づかない独自の民間療法を行っていたりする場合があります。
正しい知識をもった整体院を探すひとつの基準として、柔道整復師、Doctor of Chiropractic(アメリカで取得できるカイロプラクティックについての資格)、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士、作業療法士といった資格を所持しているかどうかを確かめることをおすすめします。
もっとも、コロナ後遺症の治療に必要な知識(自律神経系などについて)は、これらの資格の範囲外であることも多いです。どのような治療を行っているのかあらかじめ確認して、納得のできる整体院に通うのがよいでしょう。
BCAA
BCAAとは運動時に必要な必須アミノ酸であるバリン・ロイシン・イソロイシンの総称のことです。これを摂取することで症状が改善する場合があるようです(※5)。
水に溶かして飲む粉の商品や、ペットボトルに入ったジュースになっている商品が販売されています。
(商品例)
アミノバイタル® アクティブファイン®|商品|味の素株式会社
アミノバリュー公式サイト - 大塚製薬
ほかにも海外製の商品もよく売られています。
プロテイン
プロテインを摂取することでも症状が改善する場合があるようです(※6)。
最近は薬局やスーパーなどでもよく売られています。いろいろな味がありますが、おいしいもの/まずいものについて掲示板でぜひ情報交換しましょう!
亜鉛
嗅覚障害、味覚障害、倦怠感の症状が改善することがあるようです(※7)。
ただし取りすぎはよくないので、採血の結果をふまえつつ医師に相談して服用することをおすすめします。
コエンザイムQ10
コロナ後遺症ではミトコンドリアの機能が低下していて、コエンザイムQ10はこのミトコンドリアの機能を助ける効果があるという仮説が提唱されています(対照実験の結果効果はなかったとする研究もあるため、あくまで仮説の段階である点には留意)(※8)。少し値段は高いですが、サプリで簡単に摂取することができます。
(商品例:還元型コエンザイムQ10 | カネカ・ユアヘルスケア【公式】)
反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)
専用の医療機器を用いて脳に繰り返し磁気刺激を与えることで、特定の脳の活動を変化させ、うつ病の症状を緩和する治療です。コロナ後遺症においては、ブレインフォグや気分の落ち込みといった症状に効果があるとされています(※9)。日本ではまだ実施している病院がかなり少なく、自由診療になることが多いため費用も高額である点には注意が必要です。
和温(Waon)療法
「和温療法」とは「室内を均等の60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で全身を15分間温めて、サウナ出浴後さらに30分間の安静保温を追加して、最後に発汗に見合う水分を補給する治療法」です(和温療法 WAON THERAPY)。コロナ後遺症と症状が似ているME/CFSに対しては研究が進んでおり、効果があるとされています(※10)。ただしこちらも、実施している施設や病院が少ないです。
ここに掲載したものは代表的なもので、他にも様々な治療法が研究されていると思われます。執筆者個人の調べではこれが限界だったため、もし他にも「この治療で症状が改善した!」という情報をお持ちの方は、ぜひ掲示板かお問い合わせからお知らせください!
参考:ヒラハタクリニック「新型コロナ感染症・後遺症の記事」https://www.hirahata-clinic.or.jp/covid19/treatment 2025.10.26閲覧
※1 日本病巣疾患研究会「慢性上咽頭炎」https://jfir.jp/chronic-epipharyngitis/ 2025.10.23閲覧
※2 Imai, K., Yamano, T., Nishi, S., Nishi, R., Nishi, T., Tanaka, H., Tsunoda, T., Yoshimoto, S., Tanaka, A., Hiromatsu, K., Shirasawa, S., Nakagawa, T., & Nishi, K. (2022). Epipharyngeal Abrasive Therapy (EAT) Has Potential as a Novel Method for Long COVID Treatment. Viruses, 14(5), Article 907.
※3 平畑光一(2025)『コロナ後遺症~治らない"慢性不調"の正体~』扶桑社 88-89頁
※4 Lam WC et al., The use of acupuncture for addressing neurological and neuropsychiatric symptoms in patients with long COVID: a systematic review and meta-analysis (Frontiers in Neurology, 2024). 三保 翔平(2022)「COVID-19後遺症に鍼灸治療を適用した症例」『伝統医療看護連携研究』第3巻第2号59~63頁 等
※5 Ozturk, A., et al. (2022). Evaluation of amino acid profile in serum of patients with COVID‑19. Frontiers in Nutrition. 9:9618340.Landi, F., et al. (2022).
Effects of a New Multicomponent Nutritional Supplement on Muscle Mass and Physical Performance in Adult and Old Patients Recovered from COVID‑19: A Pilot Observational Case–Control Study. Nutrients, 14(11), 2316. 等
※6 ClinicalTrials.gov. (2023). Use of a Cysteine-rich Whey Protein Isolate in Post COVID-19 Cognitive Impairment. ClinicalTrials.gov Identifier: NCT07184398.Landi, F., et al. (2022).
Effects of a new multicomponent nutritional supplement on muscle mass and physical performance in adult and old patients recovered from COVID-19: A pilot observational case–control study. Nutrients, 14(11), 2316. 等
※7 Yamada, T., et al. (2023). Symptomatic characteristics of hypozincemia detected in long COVID patients. Journal of Clinical Medicine, 12(5), 2062.Bonaventura, P., et al. (2024).
Zinc deficiency is a potential risk factor for COVID-19. Journal of Infection and Chemotherapy, 30(3), 218-224.Wessels, I., et al. (2024). The nutritional roles of zinc for immune system and COVID. Frontiers in Nutrition, 11, 1385591. 等
※8 Barletta MA, Marino G, Spagnolo B, et al. (2022). Coenzyme Q10 + α-lipoic acid for chronic COVID syndrome. Clinical and Experimental Medicine. 等
※9 Noda, Y., Sato, A., Shichi, M., Sato, A., Fujii, K., Iwasa, M., Nagano, Y., Kitahata, R., & Osawa, R. (2023).
Real world research on transcranial magnetic stimulation treatment strategies for neuropsychiatric symptoms with long-COVID in Japan. Asian Journal of Psychiatry, 81, 103438. 等
※10 Matsushita, K., Masuda, A., & Tei, C. (2008). Efficacy of Waon therapy for fibromyalgia. Internal Medicine, 47(16), 1473–1476. 等
※なお、筆者は英語が苦手なうえ医学的な専門知識もなく、このページはAIに手伝ってもらいながら書きました。提示した根拠については間違っている可能性もあるため、お気づきの方はご指摘いただけると幸いです。
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