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​更新日:2025.11.19

新型コロナ後遺症ってどんな病気?

新型コロナウイルス感染後に続く「Post COVID-19 Condition(コロナ後遺症/Long COVID)」について、WHO は次のように定義しています。

 

SARS-CoV-2に感染した可能性が高い、または確認された人にみられ、通常はCOVID-19発症から3か月が経過した時点でも症状が続いている状態を指す。これらの症状は少なくとも2か月以上持続し、ほかの病気では説明できないものである。(※)
 

この定義からわかるように、後遺症は「この検査結果がでたら後遺症である」というように一つの検査から診断できるものではなく、様々な検査を行っても「ほかの病気では説明できない」という場合に診断されます。またこの定義では「3か月」「2か月」といった数字が使われていますが、実際には患者によってこの期間は異なる場合もあります。

またこの後遺症にみられる症状についてWHOは、次のように説明しています。

 

 

よくみられる症状には、強い疲労、息切れ、認知機能の低下(記憶力や集中力の問題など)がある。これらは日常生活に支障をきたすことがあり、COVID-19にかかった初期から続いている場合もあれば、回復後に新たに出現することもある。また、症状は時間とともに変動したり、再発したりすることがある。(※)


後遺症の症状は多岐にわたります。他にも全身の痛み、睡眠障害、気分の落ち込み、発熱、咳、味覚・嗅覚障害などが起こることもあります。またこれらの症状は、仕事や学校を続けることができるくらいの軽症の場合から、寝たきりとなってしまうほど重症の場合まで、程度も様々です。

このように、コロナ後遺症は検査方法がなく症状も多岐にわたることから、研究や支援制度の設計が困難であるという問題があります。また、多くの症状は見た目からはわからないため周囲の理解を得られにくく、「疲れているだけ」「精神的な問題ではないか」と誤解されることがあります。医師でさえも後遺症を理解しておらず、適切な診断をしてもらえないケースも多くあります。

コロナウイルスは誰でもうつる可能性があります。しかし後遺症になるとある日突然体が思うように動かなくなり、人生が一変してしまいます。後遺症患者は生活の質を著しく低下させる様々な症状に苦しみ、さらに適切な医療や福祉を受けられず、周囲からも誤解され、何重にも困難が積み重なっているのが現状です。医療機関・福祉制度の充実、研究の促進、社会的認知の拡大が求められています。

またこれ以上後遺症患者を増やさないためにも、コロナウイルスの感染対策を徹底することも大切です。

​※World Health Organization. (2021). A clinical case definition of post COVID-19 condition by a Delphi consensus. https://www.who.int/publications/i/item/WHO-2019-nCoV-Post_COVID-19_condition-Clinical_case_definition-2021.1

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